溺れる猿の気持ち

取るに足らない日々のなにか。澱のように溜まる愛すべきもたち。

1/

熱い熱い、ダービーウィークが終った。

世代の頂点を極める、熾烈なレース。

 

今年の3歳馬の総数がわからなかったので、なんとも微妙なタイトルですが。

大切なのは、分母の数ではなく、分子の1。

頂点に立つ資格を得られるのは、たった1頭だけってことだから、まぁよし。

 

2013年のダービーを制したのは、ディープインパクトを父に持つキズナ。

騎乗していた武豊騎手は通算5勝目となった。

 

栄光から一転、辛酸を嘗め尽くした天才が、再び輝きを取り戻す。

1頭と1人の騎手にのみ許された、ウィニングラン

西日に輝くターフの上を歩く姿は、絵になる。

やっぱり、この人だよなって、あらためて実感。

 

まぁ、MCS辺りから復調してたんですけどね。

天皇賞春なんて、そりゃもうほんと乗れてましたもんね。

 

数いる現役ジョッキーの中で、ダービージョッキーの称号を持っているのは片手で足りるていど。

星の数ほどいる馬の中から、たった1頭。

 

ダービーという舞台に立つことすら叶わぬもの達を尻目に、さっそうとゴールを駆け抜ける。

そこにあるのは勝者と敗者だけ。

 

どれほどわずかの差であろうと、「1/」にはなれない。

 

ゴール板を過ぎた時の、福永騎手(2着)の俯いた横顔が、頭から離れない。

 

こちらは野球の話になりますが、あさのあつこさんの小説だったかな?

『この暑い夏を、一度も負けずに終えられるのは一校だけ』

とても印象的な言葉です。とか言いつつ、うろ覚えなのですが…。

 

勝負の世界とは残酷で、とても美しい世界だと思うのでした。

 

ちなみに、馬券はバッチリハズしました。